リハビリテーション科|横浜市中区の整形外科|関内いしだ整形外科・脊椎クリニック

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リハビリテーション科

リハビリテーション科|横浜市中区の整形外科|関内いしだ整形外科・脊椎クリニック

リハビリテーションとは

リハビリテーション

整形外科のリハビリテーションは、主に運動器(動くことに関わる骨や筋肉、関節、神経などの総称)に対して行われ、病気や外傷で生じる様々な運動器の機能障害を回復し、残存した障害を克服しながら社会復帰を総合的に提供します。範囲は幅広く、例えば骨折、骨粗しょう症、変形性膝関節症、関節リウマチのような関節が悪くなった状態、頸椎や腰椎が悪くなった脊椎疾患、スポーツによる運動器の障害、さらに身体機能障害の予防・回復、フレイル、ロコモティブシンドロームなども加わります。腰痛や肩こりは、最もよく見られる頻度の高い症状です。

患者様の言葉に真摯に向き合い、少しでも【来てよかった、安心した。】と思っていただけるような医療の提供を心掛けております。月に数回は勉強会を開き、研鑽に励み、より短期間で的確に患者様のお悩みにアプローチできるよう理学療法士・作業療法士だけでなく、リハビリスタッフ全員で協力し、安心・安全で質の高いリハビリを提供できるように努力しています。

運動器リハビリテーションの内容

医師の治療方針を共有したうえで、理学療法士、作業療法士が身体の機能評価を行います。関節の動き(可動域)の大きさ、筋肉の柔軟性、筋力、姿勢、動作の効率、症状に悪影響のある動作の習慣などを調べ、問題を解決する方法を検討します。
実際のリハビリテーションは、基本的動作の回復を通して、日常生活の自立あるいは介助の軽減を図るために、患者さん一人ひとりの状態に応じて、物理療法、徒手療法、運動療法、日常生活動作練習、装具療法などを組み合わせて行います。そのために適切な実施計画を立て、定期的に治療効果を評価し、計画を見直しながら進めます。

当院では、脊椎疾患をはじめとした様々な痛みや動作障害のお悩みに対応しています。特に膝や肩関節などの痛みには、問診や身体機能検査以外に必要に応じてエコーを用いてより詳しく評価しながら医師・看護師と情報共有し、患者様と一緒に痛みを軽減できるようサポートしていきます。

個別リハビリ

運動器リハビリテーションでは医師の指示のもとに担当の理学療法士・作業療法士が問診や身体評価を行い、快適に生活できるような身体へのリハビリ計画を立て、マンツーマンで行う個別リハビリがあります。患者様の悩みや不調に合わせて、徒手では硬い筋肉を緩ませ関節の動きをサポートし、ストレッチや筋力トレーニングなど運動を通して、痛みの改善や日常生活での身体機能の改善、向上をサポートしていきます。リハビリ時間は20-40分と短いので、再発予防、症状緩和のために自宅でもできるセルフエクササイズの提案、指導も行っていきます。

物理療法

物理療法は、温熱や寒冷、電気、水、超音波、衝撃波などの物理的な手段を使う治療法です。一般整形外科疾患、関節リウマチ、スポーツ障害、外傷などの幅広い症状に対して、各種治療機器を用いて実施します。温熱によって血流や筋緊張を改善することで痛みを緩和したり、電気で筋肉や神経を刺激して痛みの緩和や筋力の増強を促進したりします。水の浮力や抵抗を利用して、関節の動きを改善し、血流増加を促します。また組織を刺激し修復を促し、神経の除痛効果のある衝撃波や超音波も物理療法の一つです。
当院では、温熱療法として乾式ホットパック、電気治療として低周波治療器、水圧を利用するウォーターベッド、牽引として、頸椎、腰椎牽引器、超音波を利用する超音波治療器(骨折治癒用、軟部組織用)、体のゆがみを整えるシンクロウェーブ、組織の修復を促し、除痛効果のある衝撃波を導入しております。
この物理療法と、理学療法士による徒手療法・運動療法を複合的に行うことで身体機能の改善に効果が期待できます。

徒手療法

徒手療法とは、理学療法士が直接、患者さんの体に触れて行う治療手技のことです。柔軟性が低下している筋肉を伸ばしたり(ストレッチ)、曲げにくい、伸ばしにくいといった関節の動きを改善したり(関節モビライゼーション)、こわばっている筋肉を柔らかくする(マッサージ)際に行います。骨関節・筋肉の障害には非常に有効な手技で、関節の動きの程度や質、筋肉の硬さや働きの程度などを痛みとの関連から検討し、様々な徒手療法を組み合わせて症状を改善していきます。

運動療法

運動療法は、身体全体または一部を動かすことで、症状の軽減や身体機能の回復を促します。起きる、立つ、座るといった基本動作のトレーニングや歩行練習、関節の動きを改善する練習、筋力や体力を高めるトレーニングも運動療法です。徒手療法で改善した関節や筋肉の状態を持続させるためにも行われます。運動療法は、ご自身の自然治癒力を増進させる方法であり、とても効果的です。理学療法士は、けがや病気の状態、筋肉や関節、呼吸などの全身の状態を評価し、患者さん一人ひとりに合った運動の方法や回数を設定して進めます。

装具療法

コルセットやサポーターなどを用いたリハビリテーションが装具療法です。義肢の装着も装具療法の一つです。オーダーメイド装具を作成する場合は、医師の判断のもと、装具業者が型をとり、本人に合った装具を作成します。

作業療法

作業療法の「作業」とは、食事、入浴、家事や仕事、趣味活動など、人が関わる諸活動を指します。作業療法士は、身体的、精神的に障害のある方がご自身で生活できるようになるよう、これらの日常動作や仕事での動作などに焦点を当ててリハビリテーションを行います。歩行などの基本動作を扱う理学療法に対し、作業療法は日常生活動作や仕事などの社会参加に向けた動作を扱います。

作業療法で行われる主な内容

  • 日常生活動作の練習
    食事やトイレ、着替え、整容(洗顔や歯磨きなど)、入浴動作
  • 応用動作の練習
    手芸や工作、仕事などでの作業

運動器リハビリテーションの対象となる主な症状と疾患

運動器リハビリテーションは、様々な整形外科疾患が対象となります。
以下は、運動器リハビリテーションの対象となる主な症状と疾患です。気になる症状やお悩みがありましたら気軽にご相談ください。

主な症状 主な疾患
首や肩が痛む 頚肩腕症候群、頸椎椎間板ヘルニア、変形性頚椎症、頚椎症性神経根症、肩関節周囲炎(五十肩)、腱板断裂など
腕が上がらない 腱板損傷、腱板断裂、頸椎神経根症、頚椎症性脊髄症など
手のしびれ 手根管症候群、肘部管症候群、頸椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症など
足のしびれ 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、足根管症候群、閉塞性動脈硬化症など
腰が痛む 変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、仙腸関節障害など
歩くと膝が痛む 変形性膝関節症、半月板損傷、特発性大腿骨内顆骨壊死など
体が動かしにくい 外傷後関節拘縮、頸椎症性脊髄症、廃用性筋萎縮、筋筋膜性疼痛症候群など
体を動かすと痛みがはしる 腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性神経根症など
外傷後、関節や筋肉が動かしにくくなった 関節拘縮、廃用性筋萎縮、複合性局所疼痛症候群(CRPS)など
手術後、関節が動かしにくい、痛む 術後関節拘縮、筋緊張、癒着、廃用性筋萎縮、複合性局所疼痛症候群など
スポーツ活動に早く復帰したい スポーツ障害、競技に応じたリハビリテーションを行います

運動器の疾患に対して行われる主なリハビリテーション

肩関節周囲炎(五十肩)

中年以降、特に50歳代に多くみられます。関節を構成する部分(骨・軟骨・靭帯・腱)などが老化し、肩関節の周囲に炎症が起きることが原因と考えられています。炎症に伴い、組織が癒着し、固まってしまいます。急性期にはまず安静を心がけ、消炎鎮痛剤の内服、肩への注射が有効です。急性期を過ぎてからはホットパックなどの温熱療法、また拘縮(こうしゅく)予防や筋肉を強化するための運動療法を行います。関節求心位を保ち、痛みの出にくい状態で、筋緊張をとり、可動域を広げていきます。また肩甲骨も肩関節と連動するため、可動域を広げていきます。リハビリでも効果がない場合は、各種注射やサイレントマニピュレーション(伝達麻酔を行い、徒手的な関節受動術)を行います。

肩腱板断裂

肩関節には腱板という構造があり、この腱板がささくれて破れた状態を肩腱板断裂といいます。若い方は、けがによって発症しやすく、中年以降の方は加齢による腱の変性が引き金となり外傷のない断裂が多くなります。リハビリテーションでは、痛みを避けながら筋力強化を行うことが重要です。ゆるやかな振り子運動から関節を動かす運動を始めます。残存した腱板の機能を高めるため、伸張性を上げ、トレーニング指導にて筋力をアップしていきます。肩甲骨の動きの改善なども有効です。エコーやMRIで断裂を確認し、若い方のけがや、リハビリでも肩が上がらない場合は、手術適応になることがあります。

大腿骨近位部骨折

骨粗しょう症があるご高齢の方によくみられる足の付け根(股)の骨折です。転倒することで発生することが多く、高齢であっても手術が必要になります。要介護状態に陥りやすい骨折であり、術後はできるだけ早期から離床するためにリハビリテーション治療が不可欠となります。深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)や、再度の転倒などに注意しながら進めます。可動域訓練や筋力訓練、日常生活動作訓練を行っていきます。骨折予防として、骨粗しょう症の治療が必要になります。

関節リウマチ

女性に多く発症する病気です。免疫が自分の体の一部に反応し、関節炎をおこします。初期には関節の痛みを伴い、次第に色々な関節の腫れや変形、動きの制限が生じてきます。朝、指を曲げ伸ばしたときに、こわばりが起こることも特徴です。薬物治療が主体になり、関節破壊を進行させない治療が必要になります。
リハビリテーション治療はリウマチの時期によって異なります。痛みが強いときは、そのコントロールと局所の安静を図ります。痛みが落ち着くと関節の運動や筋力増強訓練などを行います。歩行訓練や日常生活のための訓練も行います。食事・着替え・入浴など、手助けとなる道具(自助具)を用いて日常生活動作ができるようにします。家事動作などの生活の工夫も必要です。

変形性関節症

変形性関節症のリハビリテーションは、痛みの緩和を目的とした温熱・寒冷療法などの物理療法、関節に痛みを出さない状態での可動域、筋力強化訓練などの運動療法、緊張した筋や神経徒手のリリース、装具による関節保護などを行います。関節症状を悪化させないための生活指導や自主トレーニング指導が必要となります。靭帯付着部痛を合併しているときは、拡散型衝撃波を行うこともあります。特に変形性膝関節症では、痛みの緩和や変形の進行を抑制するとされているPRP(PFC-FD)治療も自由診療として行っております。

スポーツ外傷・障害

スポーツ外傷には、打撲・捻挫、肉離れ・腱断裂、骨折・脱臼、靭帯損傷などがあり、現場での適切な応急処置が必要になります。腫れの強い急性期では、RICE(Rest安静、Icing冷却、Compression圧迫、Elevation挙上)が重要です。特に冷やすことは重要だと実感しています。
ある程度安静にしても、痛みが取れない場合は、組織の損傷が修復されていない場合があり、修復を早めるため、超音波、衝撃波などにて修復を促す治療もあります。
スポーツ障害には、繰り返しの動作によるテニス肘、ゴルフ肘、野球肘、野球肩、テニスレッグ、ジャンパー膝、ランナー膝、平泳ぎ膝、グロインペイン(鼠径部痛症候群)、疲労骨折などがあります。一度の外力で生じるけがではなく、スポーツ中の繰り返し動作で生じることが多いため、使い方のチェック、指導や、硬くなった筋、関節の徒手リリース、全身的にみて、弱くなっている筋や関節が硬くなっていれば、筋トレやストレッチなどにて、予防やコントロールが重要となります。また、一旦発症すると、症状が長引くことが多く、スポーツの継続・復帰のためにリハビリテーションやリハビリ機器を用いた治療が必要になることもあります。微細な損傷が修復されないために痛みが長引くとされており、修復を促す拡散型衝撃波、超音波も保険治療で行っております。希望があれば自分の血液から抽出した成長因子を含むPRP(PFC-FD)治療も自由診療として行っております。

脊髄損傷

脊髄を損傷すると手足の麻痺を生じたり、内臓が正常に働かなくなったりします。交通事故や高所転落、転倒といった外傷性のものが多いですが、血行障害や腫瘍など、非外傷性の原因もあります。現在の医療では、脊髄損傷を元に戻すことは困難です。脊髄損傷の受傷前の状態に戻すということではなく、今後の生活の自立度を上げるために身体を作り上げていくことがリハビリテーションの目標になります。

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